漢方外来

漢方外来について

　漢方医学とは中国に由来する日本の伝統医学で、桂皮（シナモン）や葛根（クズの根）などの生薬を組み合わせた漢方薬を治療に用います。日本では漢方薬のエキスを抽出して薬剤にした医療用漢方エキス製剤が広く用いられています。現在、147種類の医療用漢方エキス製剤と1種類の軟膏を保険診療で用いることができますが、その一つ一つが特有の性質を持っており、病名や症状から単純に漢方薬を選ぶことができないのが漢方医学の難しいところです。漢方医の仕事は患者さんの漢方医学的な体質を診察し、その患者さんにぴったりと合った漢方薬を選び出すことだと言えると思います。

　漢方治療が向いている病態は多岐に渡ります。標準的な治療を行っても満足のいく効果が得られない場合には漢方治療を行うことを思い浮かべていただいてよいのではないかと考えています。月経痛、更年期症候群などの女性疾患、機能性胃腸症、過敏性腸症のような消化器疾患、非結核性抗酸菌症などの慢性呼吸器感染症、動悸・息切れなどの循環器疾患、頭痛、めまいなどの神経内科疾患、アレルギー性鼻炎などのアレルギー性疾患、じんましん、慢性湿疹などの皮膚科疾患、腰痛、関節痛などの整形外科疾患などは漢方医学が比較的得意とする分野です。また、倦怠感や冷え症など特にこれといった診断のつかない体調不良や、がんの化学療法に伴う末梢性神経障害なども漢方治療を試みて良い病態だと思います。

　我々の目的はしっかりとした漢方治療を行うことで、皆様の生活の質を少しでも上げることです。現代医学と漢方医学をうまく組み合わせ、最善の治療を展開していきたいと考えています。お困りの症状があれば是非、ご相談ください。

医師紹介

担当医（非常勤医師）

• 第2・4土曜日　野上　達也