栄養指導のご紹介
今回は栄養科より、当院の栄養指導についてご紹介いたします。
皆さんは、食事療法や栄養指導についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「あれもダメ、これもダメ、食べるものがほとんどない!」「どうせ叱られるんでしょ?」と感じておられる方がいらっしゃるかもしれません。でも、基本的に、糖尿病だからといって食べていけないものはありません。逆に、血糖値を下げようとして極端に食事量を減らすなど、必要な栄養を摂らずにいれば、血糖値は下がるかもしれませんが、体力が低下し、不健康となって本末転倒となってしまいます。
- 糖尿病治療の目標は、
- 【食事】必要なだけの食事を「量・バランス・食べ方」に気をつけて摂り、
- 【運動】適度に体を動かし、
- 【薬物】病状に応じてお薬のサポートを得ながら、
- 血糖値を良好に保つこと、それによって、合併症の発症・進展を防止することです。
さて、栄養科では、皆さんの食事療法をサポートするため、連日個別栄養指導を行っています。その際、最も重視していることは、「継続できる」「習慣化できる」ことです。糖尿病治療において、食事療法は基本中の基本であり、どんなに多種多様なお薬を使ったとしても、食事療法が疎かでは血糖コントロールは困難です。ですから、無理なく続けられることが重要です。ただ、患者さんにはそれぞれに、長年培った食習慣や嗜好があると思います。例えば「病院食のような献立を自炊しましょう」「間食は今後一切だめです」などと指導しても続くはずもありません。
そこで栄養指導の導入時には、まず個々の食習慣や嗜好を詳しく伺い、どうしたらその方の病状に適した食事に近づけられるかを評価します。その上で、栄養バランスを整えるためのポイント、目安量、外食メニューや中食(お惣菜など)の選び方、間食のとり方について、患者さんに実行できそうなことから提案します。患者さんのご都合次第では、取り組み状況に応じた新たな提案ができるよう、定期的に来ていただくこともあります。
その他、栄養についてより深く学びたい方のために、日本糖尿病学会による「食品交換表」を用いたり、糖質摂取量が治療の鍵となってくるインスリン療法中の方には、食事中の糖質量を把握する「カーボカウント」をご説明するなどしています。
食事に不安や疑問がある方、血糖コントロールを良くしたい方、栄養指導を受けたい場合には、ぜひ主治医にご相談ください。
私たちが糖尿病食事療法をサポートいたします!
東名厚木病院 栄養科 管理栄養士 山本 佳奈