医療安全管理室
2003年9月から「医療安全管理室」を開設し、医療安全に関する業務を担っております。
基本方針
患者が安心して公正な医療を受けられるような環境を整え、医療事故を防止し、提供する医療の質を向上させる
基本指針
安全管理指針の目的
この指針は、医療事故の予防・再発防止対策及び発生時の適切な対応など当院における医療安全体制を確立し、適切かつ安全で質の高い医療サービスの提供を図ることを目的とする。
安全管理に関する基本的な考え方
- 医療安全に関する基本姿勢
当院の医療安全活動においては、「人間はエラーを犯すもの」という観点に立ち、医療事故を起こした個人の責任を追及するのではなく、医療事故を発生させた安全管理システムの不備や不十分な点に注目し、その根本原因を究明し、これを改善していくことを主眼とする。また、患者に信頼される医療サービスの提供と医療の質の向上を求めていくことを当院の医療安全の基本姿勢とする。こうした基本姿勢をベースとした医療安全活動の必要性、重要性を全部署及び全職員に周知徹底し、当院内共通の課題として積極的な取り組みを行う。 - 安全管理の具体的な推進方策
(1) 安全管理体制の構築
医療事故防止及び有害事象発生時の緊急対応について、当院では、上記を主旨とし、1999年より「リスクマネージメント委員会」を設置し、安全な医療の提供に努めてきた。診療報酬の改定及び社会的情勢をふまえて、平成14年4月「医療安全管理指針」および「医療事故防止マニュアル」を作成し、安全な医療が提供できるように活動してきた。2003年7月、医療安全対策を病院の組織的な取り組みとして実施するために「医療安全管理室」を設置した。一元的で効率的な医療安全管理体制を構築する。
(2) 医療事故・インシデント等の報告制度の確立
医療安全文化の醸成と具体的な予防・再発防止策に資するため、インシデント・アクシデントの情報収集、分析・評価、対策立案を的確に行う体制を構築する。
(3) 職員に対する安全教育・研修の実施
当院における医療安全に関する基本的な考え方や個別事案に対する予防・再発防止策の周知徹底のため、職員全体を対象にした教育・研修を計画的に実施する。
(4) 有害事象発生時の対応の確立
有害事象発生時には、患者の安全確認を最優先するとともに、事故の再発防止策を早期に検討・職員に周知徹底する。
安全管理体制
医療安全管理室業務分掌
①医療安全対策の実施および推進に関すること
②医療安全推進担当者の統括及び指導に関すること
③インシデント事例の収集および分析、ならびに改善策の立案に関すること
④医療事故(有害事象)発生時の関わり
⑤医療事故(有害事象)の原因分析および対策の立案に関すること
⑥医療安全管理マニュアルの作成・指導及び管理に関すること
⑦医療安全管理に係る病院各部門と連携に関すること
⑧委員会の運営
⑨他院と連携し、相互に医療安全に関する評価を実施すること
⑩その他医療安全管理に関すること
活動内容紹介
医療安全講演会の実施
1年に2回、外部講師をお迎えし、安全管理に関する講演会を実施しております。
2022年度の実施状況
第1回 医療安全講演会
- テーマ:
- 医療安全の視点から見た診療記録
- 講師 :
- 大阪M&A法律事務所 弁護士/医師 小島崇宏先生
第2回 医療安全講演会
- テーマ:
- ダブルチェック再考
~正しい目的の為に正しく業務を行なう・
脳の特性を理解して確認行動を説明する~ - 講師 :
- 都大学医学部附属病院 医療安全管理室 室長/教授 松村由美先生
2021年度の実施状況
2021年7月30日 17:45~19:00
- テーマ:
- 事例から学ぶ ~医療コンフリクト・マネジメント~
- 講師 :
- 山梨大学医学部付属病院 医療の質・安全管理部 特任教授 荒神 裕之先生
2021年11月12日 17:45~19:00
- テーマ:
- 医薬品の安全管理・適性使用に関する最近の話題
~ヒューマンエラー防止中心から適性使用確保中心へ~ - 講師 :
- 一般社団法人 医薬品安全使用調査研究機構 設立準備室室長 薬剤師 土屋 文人先生
新入職者研修
2023年4月5日(水)8:45~10:30
- テーマ:
- 医療安全・患者安全を皆で考え提供しよう
本部・看護部の中途入職者研修
外部委託業者研修
安全管理研修の実施
安全管理委員会が中心となり、院内専門職による医療安全研修年9回実施、外部講師による講演会を年2回実施しております。
2022年度の実施状況
開催月 | テーマ | 担当部署・講師 |
---|---|---|
5月 | 日常生活動作中の転倒・転落 ~立って危ないこと・座って危ないこと~ |
リハビリテーション科 |
6月 | 安全な食事をするために ~誤嚥・窒息を予防するために~ |
摂食嚥下療法科 |
7月 講演会 |
医療安全の視点から見た診療記録 | 大阪M&A法律事務所 小島崇宏先生(弁護士/医師) |
8月 | 機器トラブルに対応出来る様になろう | 臨床工学科 |
9月 | 誤薬を防ぐ為に ~ルールの徹底と危険予測~ |
薬剤科 |
10月 | 重大事故を防止するために ~インシデントレポートの書き方~ |
医療安全管理室 |
11月 講演会 |
ダブルチェック再考 ~正しい目的の為に正しく業務を行なう~ 脳の特性を理解して確認行動を説明する |
京都大学医学部附属病院 医療安全管理室 室長/教授 松村由美先生 |
12月 | 臨床検査のインシデント防止へ | 臨床検査科 |
1月 | 第1部 放射線診療の正当化と最適化 第2部 MRI検査の安全講習会 ~正しい知識で安全な検査を~ |
放射線技術科 放射線技師 |
2月 | アナフィラキシーショックは予見可能!! | 医務部 |
3月 | 診療(記)録記載におけるリスクマネジメント | 診療情報管理室 |
安全だよりの配信
2ヶ月に1回、全職員向け掲示板に、院内で発生したインシデントアクシデントの集計や再発防止策を記載し安全な医療の提供に努めております。
患者サポート定例会議の開催
毎週1回、患者総合支援センター、医療安全管理室、医事課、総務課、医療福祉相談室で、患者さん・ご家族からのご意見・ご要望(医療費に関すること、療養中に関することなど)や、ご意見箱への投書に関する情報を共有し、患者さんに満足のいく安全な医療が提供できるよう検討しております。
安全確保に向けた院外との連携
日本医療機能評価機構患者安全推進協議会、医療安全全国共同行動、神奈川県医療安全交流会に参加し、外部からの医療事故情報や安全情報を収集しております。収集した医療安全情報は、医療安全管理室で検討し、必要時、院内アナウンスを行っております。
院内掲示板に「医薬品安全」「医療機器安全」「医療放射線安全」に関する情報を掲示しております。
職員1人1人が責任を持ち安全な医療が提供できるようにしております。
未承認薬等の使用に関する情報公開
医薬品及び医療機器は法律(医薬品医療機器等法)に基づき、厚生労働省で承認された方法で使用することが求められます。しかし、治療の必要上、承認されていない医薬品を使用することや、承認内容と必ずしも一致しない方法で使用すること(適応外使用)があります。その場合は、病院内の会議(薬事委員会)で、必要性の有無、有効性・安全性の面を審議し、承認を得たうえで使用を可能としております。
未承認薬・適応外薬の使用は、通常は医療者が文書又は口頭にて患者さんへの説明と同意の取得が必要です。
しかし科学的根拠が十分にあり、倫理的な問題がきわめて少なく、患者さんに有益と考えられる使用の場合は、文書または口頭による説明と同意の取得を簡略化することを病院内の会議にて承認しております。当院においてホームページで情報公開することにより使用可能と承認された使用法は下記の通りです。またこれらの使用法を希望しない方は担当医までその旨をお伝えください。
高濃度K製剤に関して(PDF)