がんになったら、どうやって病院を選ぶ?
大きな病院じゃないと、きちんとした治療は受けられないのでは?
がんと診断されて、どこの病院で治療をするかを考えたとき、このように思う方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに以前は地域や病院によって、がんの治療法にはかなりの格差がありました。しかし、2006年6月に成立した「がん対策基本法」により、「がん医療の均てん化」が進められ、今では全国どこでも「標準治療」が受けられるようになっています。
全国どこでも受けられる「標準治療」とは
がんの専門的な治療ができる「がん診療連携拠点病院」は、全国47都道府県で456ヵ所まで増えてきています(2023年4月1日現在)。さらに神奈川県では、この「地域がん診療連携拠点病院」と同等の機能をもつ「神奈川県がん診療連携指定病院」を県知事が指定することで、より地域でがん治療を受けられる体制を整えています。
現在では、これらの病院が地域ごとに設けられ、日本全国どこでも、がんの「標準治療」または「ガイドラインに沿った治療」が受けられるようになりました。
「標準治療」というと、「並の」「平均的な」といった印象を受けるかもしれませんが、がん治療では「現時点で患者さんに最も効果が期待でき、安全性も確認された最善の治療」という意味になります。標準治療は、がんの部位、ステージ(病期)ごとに、手術の方法、放射線の照射回数、使用する抗がん剤の種類、治療の組み合わせ方などが、世界中の病院で研究され、それぞれの分野の専門家が集まる学会で、専門家の議論のもとに決められ、随時更新がされています。
まずは近くで相談を
一般的ながんであれば、「標準治療」が受けられる近くの病院での治療を検討してみてはいかがでしょうか。近年のがん治療は、長く付き合う病となっていきていますので、通院や入院を考えると、近くの病院の方がいいこともあります。お近くのがん相談支援センターに相談すると、がん相談支援専門員が、一緒になって患者さんとベストな方法を考えていきます。もちろん、そこでの治療が難しい場合やより専門的な治療を希望される場合は、紹介も行っていますので、まずはお気軽にがん相談支援センターへご相談ください。