糖尿病 こんなことありませんか?
テレビなどでも紹介されることの多い「糖尿病」ですが、実はあまり知られていない症状などもあるようです。そこで今回は、糖尿病・代謝内科の堀先生にお話しを伺いました。
1.こんなことありませんか?
①のどが渇く
②おしっこがたくさんでる(頻尿)
③食べても痩せる
これらは、糖尿病の方によくみられる症状です。 意外に思われるかもしれませんが、糖尿病になると体重が減ってしまいます。
なぜこのような症状がでてくるのでしょうか。
2.糖尿病のメカニズム
私たちが食べているご飯やパン、果物などの炭水化物は、そのほとんどが消化によってブドウ糖になります。このブドウ糖は、小腸から吸収され血液の中に入り、体を動かすエネルギー源となります。この血液中のブドウ糖の濃度を血糖値といいます。 血糖値は通常、食事や運動をしても適度な範囲にコントロールされています。それは、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きによるものです。血液中のブドウ糖はインスリンによって全身に運ばれ、筋肉や肝臓・脂肪組織に取り込まれて筋肉ではエネルギー源に、余った分はグリコーゲンや脂肪となって蓄積されます。 糖尿病は、このインスリンの働きが十分でないため、ブドウ糖が組織に取り込まれず、血糖値が普通よりも高くなっている状態をいいます。
3.自覚症状①② のどが渇き、たくさん飲むようになる
糖尿病になると、血液中の過剰なブドウ糖を尿で排泄するようになります。そのため尿の量や回数が多くなり、脱水状態となるため、のどが渇き、たくさん水分を取るようになります。
4.自覚症状③ 食べていても体重が減り、疲れやすくなる
糖がエネルギー源として使えなくなるため、代わりに体内のたんぱく質や脂肪が分解されてエネルギー源として利用されます。そのため、体重が減少し、疲れやだるさなどの倦怠感を感じるようになります。
5.糖尿病かな?と思ったら
糖尿病の診断には、血液検査が必要です。尿検査で糖が出ていれば血糖検査を行いますが、血糖値が高くても尿糖が出ない場合があるので注意が必要です。血液検査では、血糖とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を測定します。健康診断などで定期的に検査を受けて、チェックをすることも大切です。早期に発見して適切な治療を行うことが大事ですので、少しでも当てはまることがありましたら医療機関を受診しましょう。
東名厚木病院 糖尿病・代謝内科 堀 賢一郎