東名厚木病院

神奈川県がん診療連携指定病院

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コラム

インソールの効果

人間の主たる移動様式は二足直立歩行であり、唯一地面に接しているのが足部です。床からの反力は、地面から靴-中敷き-足へと伝達されます。このため靴や中敷きが変化することによって、地面から人間の足の伝達の仕方が変化することになります。このように考えると、靴や中敷きがいかに重要であるかが想像できます。インソールは中敷きに凹凸をつけ、人間の土台となる足の肢位や使い方に変化を与えるものです。ここでインソール使用にあたって重要とされる「アーチ」について紹介します。足の骨は靱帯や筋・腱とともにアーチと呼ばれる構造を形成します。アーチは内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチがあり、これらがバランスをとることで、体全体を支えています。アーチが崩れる代表的な要因として、加齢、運動不足、肥満、不適切な靴の使用、姿勢の悪さなどがあります。足のアーチが崩れると、荷重時の衝撃を十分に吸収することが出来ず、足の痛みやしびれ、場合によっては膝や腰に負担が掛かり、関節の痛みや腰痛を引き起こします。

ではインソールを入れるとどのような効果があるでしょうか。1つめに踵がホールドされることで姿勢の安定が補助されます。2つめにアーチ形態を補正し荷重を分散させることで疼痛の軽減に作用します。3つめに蹴り出し時に推進力が生まれ、重心移動がスムーズになります。これらにより、結果としてバランス機能・運動機能の改善が期待出来ます。インソールは正しく使用することでパフォーマンス向上へ繋がります。皆様も一度試してみてはいかがでしょうか。

リハビリテーション科 理学療法士 橋本 健太郎

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