慢性腎臓病研究所
慢性腎臓病は国民的疾患です。早期発見早期治療しましょう。
所属医師
冨田 公夫(名誉院長)
田村 博之
大山 聡子
堀 賢一郎
齋藤 快児
張 杰
最新情報
2024年6月:日腎会誌2024;66(3):435-441.に論文が掲載されました。 2023年9月:Int.J.Mol Sci.2023,24,13779.に論文が掲載されました。 2023年6月:「健康365」6月号に掲載されました。 2022年12月:下記論文が掲載されました。 2022年11月:「健康365」11月号に掲載されました。 2022年4月:「健康365」4月号に掲載されました。2021年6月:日本腎臓学会「上田賞」を受賞しました。
2021年5月:「老年内科」2021年5月号:639−648に掲載されました。 2021年4月:「わかさ」初夏号 2021:117−120に掲載されました。 2021年4月:「長寿科学振興財団」Advances in Aging and Health Research 2020に掲載されました。 2021年1月:「日本透析医学会雑誌」54巻1月号に症例報告が掲載されました。 2020年10月:疾患別看護過程第4版に執筆しました。 2020年5月:「健康365」6月号に掲載されました。 2019年12月:「腎と透析」87巻6号(12月号)に論文が掲載されました。2019年7月30日:週刊朝日の「人工透析のいい病院」で東名厚木病院の記事が掲載されました。
2019年7月:「輸液療法」について、2019年度版、内科学書、中山書店、改定第9版に掲載しました。
2018年7月3日:第63回日本透析医学会学術集会・総会での大山先生の発表が、m3に取り上げられました。2017年6月:『紹介の遅れた腎障害患者への対応』腎と透析 第82巻 第6号 2017;6:765-769
2017年6月:下記症例報告が掲載されました。2017年3月12日:市民講座を開催しました。
2017年2月:高知県安芸市での糖尿病勉強会で、CKDについての講演をしてきました。
2017年1月:「慢性腎臓病教室」のご案内を、市民かわら版に掲載しました。
2016年10月:下記の論文が掲載されました。 2016年3月:下記の論文が掲載されました。 2016年2月:下記の論文が掲載されました。2016年:「高血圧の治療と食事療法」が中国で翻訳出版されました。
平成27年度:下記の論文が掲載されました。2015年10月:第60回日本透析医学会総会で発表した内容が冊子体で配布されました。
2015年6月:第5回日本腎臓リハビリテーション学会での教育講演の内容が、トピックスの一つとして配布されました。
2015年3月:第5回日本腎臓リハビリテーション学会で教育講演をしました。
平成26年度:下記の論文が掲載されました。- Effects of atrial natriuretic peptide on bicarbonate transport in long- and short-looped medullary thick ascending limbs of rats.
PLoS One. 2013 Dec 23;8(12):e83146. - Reevaluation of erythropoietin production by the nephron.
Biochem Biophys Res Commun. 2014 Jun 27;449(2):222-8. - Expression of three isoforms of Na-K-2Cl cotransporter (NKCC2) in the kidney and regulation by dehydration.
Biochem Biophys Res Commun. 2014 Oct 24;453(3):356-61. - Low-Density Lipoprotein Apheresis for Proteinuria in Lupus Nephritis With Intraglomerular Foam Cells Containing Cholesterol Crystals.
Am J Kidney Dis. 2014 Dec 23. pii: S0272-6386(14)01442-5.
2014年7月:張先生の症例報告が、日本透析医学会誌47(7):467-472,2014に掲載されました。
2014年3月:論文がNature Communicationsに収載されました。
2014年3月6日-9日:国際腎臓学会フォアフロントシンポジウムに行ってきました。
2013年11月 アトランタで開催されたアメリカ腎臓学会でのシンポジウムで講演しました。
慢性腎臓病(CKD)の新しい分類
慢性腎臓病
尿に血液や蛋白がでる慢性腎炎だけでなく、腎臓の血液を濾過する血管が詰まって機能が低下した状態を含めた広い腎障害をいいます(参考図1)。今までのよく使われていた病名の腎炎や、糖尿病、膠原病、高血圧などによる腎臓の障害だけでなく、加齢などによる動脈硬化などで腎機能が低下した場合も含まれるため、現在の日本人ではおよそ1300万人いると推測されている国民的な病気です。糸球体濾過量(GFR)60ml未満がこの範疇に入ります。GFRがこれ以下になると、徐々に腎機能が悪化して末期腎不全、さらには血液浄化療法や腎移植が必要になってしまいますが、それ以上に怖いのは心血管病の発生率が指数関数的に増えていくことにあります(参考図2)。腎機能が悪くならないように早め早めに治療をしていくことが大切です。かかりつけのお医者さんで適切な医療が受けられるようになってきていますが、一度専門医に紹介すべき基準としては、GFR 50ml以下となっています。
透析にならないために
いろいろな臨床成績が報告され、GFRの他に尿にアルブミンが出るとより障害の進行が早いということがわかってきました(参考図3)。糖尿病の人で考えてみますと、尿に「アルブミン」が出ていない人が微量のアルブミンが出るようになるのは年2%ぐらい、また「はっきりとした蛋白尿」がでるようになるにも年2%くらい、さらに「腎不全や透析に移行する人」も年2%くらいと同じ比率ですが、微量の「アルブミン」の人は年3%くらいの死亡率、「はっきりとした蛋白尿」の人は4.6%の死亡率、「腎不全や透析の人」はなんと19.2%の死亡率になってしまいます。そこで、GFRが60ml以上でも尿にアルブミンが出ている人では、もう少し早めに専門医に紹介すべきであると提唱されました。さらに、糖尿病は進行が早いので別枠として取り上げられ、GFRが正常でも尿アルブミンがはっきりと認められている場合には、専門医に紹介するようになりました。
対策
蛋白尿が出ると腎機能が悪くなったり、心血管病でなくなったり悪いことがおこるわけですが、脅かすだけではいけません。ちゃんと対策があります。進んでしまった腎障害を元に戻すことは簡単ではありませんが、薬により蛋白尿を減らすことが可能になってきています(参考図4,参考図5,参考図6)。また、腎炎の軽い時期に見つかれば治療により腎炎がほとんど治ってしまうこともあります。障害が進んでから治療するよりも、障害が軽度のうちに治療する方が治癒しやすいことは当然のことです。病気をこわがらず、新しい医療の恩恵を受けて下さい。
参考図1
参考図2
参考図3
参考図4
参考図5
参考図6
冨田名誉院長がアメリカ腎臓学会(ASN)のシンポジウムで講演しました。
2013年11月アトランタで開催されたアメリカ腎臓学会(ASN)でのシンポジウムで、「高血圧、浮腫における腎のNa調節機序」というテーマで講演しました。
国際腎臓学会フォアフロントシンポジウムに行ってきました
この会は国際腎臓学会のサテライトの学会で、専門性の高い研究を行っている研究者が、ひとつの会場に缶詰になって討論する会です。昔からの長い付き合いの友人や新進気鋭の研究者と膝をつき合わせての学会です。今回は「腎機能の内因性調節」でNaチャネルやK調節がテーマです。2014年3月6日から9日、アメリカ;チャールストンで開催されました。私は、今回は座長としての出席で、独、デンマーク、フランス、アメリカ、からの発表を司会しました。
論文がNature Communicationsに収載されました。
熊本大学で5-6年かけたプロジェクトが論文になりました。プロスタシンという蛋白分解酵素は、腎臓でNa チャネルを活性化して高血圧をきたす物質ですが、他臓器での役割はわかっていませんでした。今回肝臓での役割を検討しました。肝臓でのプロスタシンをノックアウトすると血糖値が上昇することがわかりました。最終的に、摂食や肥満により、肝臓内のプロスタシンが減少してTLR4が増加し、慢性炎症がおこり糖尿病に進展することがわかりました。
熊本NHKのニュースと、熊本日日新聞にとりあげられました。